<亀山早苗の不倫時評――映画『昼顔』の巻>



 上戸彩(32)・斎藤工(36)出演、2014年にドラマとして放映されていた『昼顔』。今週、続編である映画版が地上波で初放送されました(25日、フジテレビ)。SNS上で再び反響が巻き起こっている本作を、不倫事情について長年取材し著書多数のライター・亀山早苗さんが読み解きます。(以下、亀山さんの寄稿)



※この記事にはドラマ・映画のネタバレを含みます。



◆『昼顔』ドラマで描かれたふたりの恋



 ダブル不倫がそれぞれの配偶者にバレ、互いの家族を巻き込んでの大騒動となった木下紗和(上戸彩)と北野裕一郎(斎藤工)。紗和は離婚、裕一郎は二度と紗和と会わないと一筆書かされて妻・乃里子(伊藤歩)とやり直す決意をする。



 その3年後、再会からの物語が映画となった。海沿いの街でひとり暮らす紗和は、大学の非常勤講師となった北野が講演のため街に来ることを知る。北野は客席に紗和の姿を見つけ、顔中汗だらけになる。再会、そしてまた何かが始まる暗示だ。



◆不倫で結ばれたふたりが、直面する大きな問題



 不倫関係に終止符を打っても、このふたりのように再会してしまうことは珍しくない。北野はホタルの研究をするため紗和の住む町へ通い続け、一方で妻の乃里子に離婚を切り出す。そして晴れてふたりは一緒に暮らしはじめる。



 紗和が就職したレストランのオーナー・杉崎は自身が妻に不倫をされて捨てられた身の上。それを明かさないまま、紗和と北野の秘密を探って周りに言いふらす。小さな街で「ダブル不倫をやらかして逃げてきたふたり」は、周囲の人たちの反感を買う。これだけ不倫が多くなっている今の時代にあっても、もし「そんなふたり」がいたら周りの反応はこういうものだろうと考えさせられる。「そっと受け止める温かさ」が今の時代にはないのだ。



 さらにせっかく一緒に暮らしはじめた紗和と北野の間にも、すれ違いや誤解が生じるばかり。



「自分が裏切ったことがあるから、人を信用できないのよ」



 紗和が北野に投げつけた言葉だ。確かに不倫から一緒になったふたりは、相手を信頼して平穏に暮らすのがむずかしいと言っている女性がいた。相手がまた他の人を好きになるのではないか、人の夫を奪った自分は幸せになれないはずだ。そんなふうに感じてしまうらしい。



 だが、北野先生は揺るがない。ケガをして歩けなくなった妻・乃里子の引っ越しなどを手伝っていることを紗和には言えないために誤解が生じているのだが、どんなときも北野の愛はぶれない。



 紗和は北野の妻・乃里子に会いに行く。そこで初めてケガをしている乃里子を北野が助けていることを知り、ふたりは初めてきちんと話をして紗和は乃里子に心から謝罪する。



「私はケガをして吹っ切れた」



 乃里子はそう言い、ひとつだけお願いがあると言う。



「離婚しても裕一郎って呼んでいい? 同じ業界だしまた会うこともあると思うから」



 それに紗和は落ち着いて、しかしきっぱり拒絶する。



「それだけは……ごめんなさい」



 だが、このときのやりとりがその後の悲劇を生むことになる。



◆夫のいない人生に絶望した妻は……



 離婚届を書いて裕一郎に渡した乃里子は、駅まで彼を送っていく。ところがハンドルを握る彼女に変化が起こる。「裕一郎」と言いかけて、紗和に名前を呼ぶなと言われたことが蘇るのだ。彼女のケガは転んだわけではなく、自殺未遂だった。彼のいない人生に絶望し、それでもなんとか生きていこうとがんばっていたところへ、愛した男の名前すら呼べなくなる自分。この人と本当に縁が切れる瞬間を、乃里子は認めたくなかったのだろう。



 車はブレーキをかけないまま崖下へと突っ込んでいく。北野は即死、乃里子は大けがをして生き残る。



 そのころ、紗和は地元の人たちの気持ちを変えつつあった。盆踊りに誘われ、晴れやかな笑顔で踊る紗和。北野と乃里子の車の中での緊張感と紗和の笑顔が交互に映る。



 不倫の映画だから、結末はどちらかが死ぬしかないのかもしれないが、これでは40年前の不倫映画と変わらない。さらに紗和のお腹には新たな命が宿っていたというオチまでつく。不倫という名の恋愛を美しく彩る必要はないが、燃え上がる情熱と恋情を体の奥底に封印して、ふたりは3年間離ればなれで生きていたのだ。もちろん、不倫は周りを傷つける。それでも映画である。道徳観とは別の結末はなかったのだろうか。映画に昇華してさえも、この結末しかなかったのだとすれば、この国の自由度や寛容度はあまりに低い。



◆ただ「好き」である――その気持ちの強さ



 最後に死さえ覚悟しながらハンドルを握る乃里子が、「どうして私ではなく、あの人なの?」と北野を問い詰めるシーンがある。妻が夫にいちばん聞きたかったことだろう。北野は「わからない、わからない」と答え続ける。そして最後に「紗和が好きなんだ」とひと言つぶやく。その瞬間、車がバウンドしていく。



 恋という関係は、そのひと言がすべてなのだ。「わからないけど、あの人が好き」。



「好き」という気持ちが人生を賭してもいいほど強ければ、それは誰にも止めようがない。それはどんなに長く連れ添った配偶者であっても、正義をかざして不倫を断罪する赤の他人でも、止めようがないのである。



 おそらく死んでも北野の紗和を思う気持ちは生きている。そして紗和の中にも……。だから死をもってエンディングとするこの映画が、どこか不可解に思えてしまうのだ。



<文/亀山早苗>



【亀山早苗】




ネタバレ記事を見つける為に
ネットで検索してみたら
実践者の体験ブログがあった★。

わたしが気になっているのはコレ・・・


『書いてある通りに正しく実践すれば効果あり?』

何でもそうだろうけど【継続する】のが大変なんだよね。


私みたいな
飽きっぽいタイプの人でもできるかな?

本当に効果がでるなら
頑張ってみたい気もするな。