OLや女子学生のバイトとしてもおなじみのキャバクラ。でも、キャバクラのような「接待飲食業」は減る一方で、2012年末~2016年末の間に約4000店が消えたという(警察庁生活安全局調べ)。



 今年初頭、大阪のとあるキャバクラが経営不振のため閉店した。突然の「閉店宣告」で路頭に迷った30人のキャバクラ嬢達はどこへ行ったのだろうか? 5月、閉店したキャバ嬢達の行方を追ってみた。



◆元お客にもらう小遣いで、ほそぼそと暮らす29歳



 まず話を聞いたのは、店で1番古株だったというユイさん(仮名・29歳)。



 大学の頃から地元のキャバクラでバイトをしていたというユイさんは、就職氷河期を経験し、卒業後もキャバクラを続ける道を選んだ。入店したのは7年前。皮肉なことに景気は少し回復しており、まだ22歳だったユイさんには高い時給が保証された。経験があったので売上げは順調に伸び、ナンバー入りも安定していた。時給は閉店まで下がることはなかったという。



「古株だったので、お客さんは持ってたほうだと思います。閉店して他の店に移ろうとしたけど、年齢のせいか今までと同じ時給は出なかったです。周りからは『30歳手前なんだから、キャバクラじゃなくてクラブへ行きなよ』と言われるけど、料金的にキャバクラのお客さんを引っ張れる自信もないし、同年代のホステスのヘルプにつくのも考えられないですね」



 閉店から3ヶ月、今はキャバ時代のわずかな貯金と、元客からもらうお小遣いで生活しているという。



「しばらく働かないでいたら、やる気なくしちゃって。お客さんと食事したり、たまにHして2万~5万円ほどもらっています。働いてる時は『店に呼んでなんぼ』だったし、枕とか噂が流れるのも嫌だったので考えられなかったですけど、辞めたらどうでもよくなりましたね。元同僚達には絶対言えませんけど…」



 今は、元同僚とはほとんど連絡を取っていないという。



「連絡が来ても『客を紹介してほしい』とか、『バースデーだからお客さん連れて飲みに来て』とか言われるので面倒臭くなっちゃいました。働いてる時は仲良くしてても、辞めたらこんなもんですよね。元々、夜の仕事以外で知り合いがいなかったものですから、今はお客さん以外とはほとんど連絡を取ってません」



 少し寂しそうに呟くユイさんに先行きを聞いてみた。



「先行きは不安ですが、今はまだ何もする気になれないんです。こんなことなら、早いうちに結婚して上がるか、クラブに移って水商売を極めれば良かったなと思います。一生、キャバ嬢続けられるわけがないのに、大して貯金もせずに働いていた私が悪いんですよね」



◆スナックで日銭を稼ぎ、夢も挫折しそうな23歳



 店探しが難航しているのは“掛け持ちキャバ嬢”も同じだ。ミユさん(23歳・仮名)は、トリマーになる夢を抱いて上京し、ペットショップのアルバイトとキャバクラを掛け持ちしていた。



 閉店後はキャバクラの派遣会社に登録したが、すぐに辞めてしまったという。派遣を依頼する店が当日まで分からず、希望するシフトで働けないからだ。



「日払いで欲しいので、今は個人経営のスナックを手伝って日銭を稼いでいます。スナックはキャッチにも出なきゃいけないし、飲まされるからあまり出勤したくないんですけど…」



 ママが不在の時は1人で接客することもある。酔っぱらった客のセクハラにも1人で対応しなければならない。また、営業時間が長いのでペットショップのアルバイトにも支障が出るという。「キャバクラが1番ラクだった」とミユさんはこぼすが、現実は厳しいようだ。



◆「何軒かたらい回しにしたあと風俗を紹介する」とスカウトマン



「今回潰れた店は、そこそこ老舗の大型店でした。常に多数のキャストを揃えていた店なので、女の子のレベル関係なく誰でも働ける店だったんです」



 そう話すのは、大阪で水商売と風俗を専門とするスカウトマンだ。



「閉店して、在籍していた女の子達から次の店探しを頼まれたんですけど、他の店で使えそうな子は1割くらいしかいなかったですね。売上げがある子や若くて顔がキレイな子なら、いくらでも紹介できますけど、問題はそうじゃない子。



 そういう子達はあえて厳しい店に紹介します。どうせ続かないので何軒かたらい回しにした後、セクキャバ、風俗と薦めます。最初から風俗に連れてくよりも、キャバクラで通用しないことをわからせてから紹介するほうが、長く働いてくれます」



 本気で働く気がある子でないと、今の水商売は難しいという。



「『誰でも働ける店』だったからこそ、閉店してしまったのだと思います。現に歌舞伎町などの都心部を除いて、キャバクラは減り続けていますね。もう昔みたいに誰でもキャバ嬢になれる時代ではないんですよね。30人のキャバ嬢のうち、新しい店に移れたのは半数にも満たないんじゃないですか」



 キャバクラ嬢の一寸先は闇…夜のリストラは、思った以上に深刻だった。




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