「ルームシェアをしている友人が手首を切ろうとしました。一緒に住んでいる者としてどうすればいい?」という深刻な相談が舞い込んできました。苦しいほど「疲れ果てた」状況に陥った人を周囲はどのように救えるのか、健康社会学者の河合薫さんが、アラサー独身OL代表のニケさんと考察します。


【関連画像】資料:警察庁「自殺統計」より厚生労働省自殺対策推進室作成


●【Q】リスカ未遂のルームメートとどう接すればいい?



あるあるカイシャ事件簿Vol.67「ルームメートが洗面所でリスカ未遂……」



 同い年のルームメートがあるとき洗面所でうずくまっていました。リストカットをしようとしたようなのです。ただ、実際に行動に起こしたわけではなく、手首にはかすり傷一つありませんでした。涙を流すだけで、何があったかは分かりません。



 彼女の職場は女性が比較的多く、女性活用も積極的に行われているとのこと。あと2~3年すれば管理職昇進試験を受ける予定だという話を聞いたこともあります。学生時代には海外に短期留学するなど好奇心もあり、とても頑張り屋さんだと思います。



 この一件の後は、会社には休むことなく行っており、普段通りの笑顔も戻っています。ご家族にも話をしたということでした。でも、普通を装っていそうな気もして心配です。



 一緒に暮らしている友人として何かできることはあるのでしょうか。たくさんの方のインタビューをされてきた河合さんにアドバイスをいただきたいです。(32歳、サービス、接客)



●【A】普段通りに振る舞い、会話を増やそう



ニケ これは……心配ですね。



カワイ そうね。ただ、ルームメートさんは、そのときは自分でどうすることもできないほど混乱して、「リストカットをするふりをしてみた」だけかもしれません。



 会社を休んでいるわけでもないし、笑顔も戻っているようなので、難しいかもしれないけど、相談者さんは何事もなかったように振る舞ったほうがいいでしょうね。無理やり元気づける行為は逆効果になることがあります。



 ただ、一緒に過ごす時間はなるべく作ってほしいです。ルームメートさんの傍らでたわいもない話をする。そういった「日常の時間」を意識的に増やすといいと思いますよ。



ニケ 「かすり傷一つなかった」って書いてますもんね。ん……あ、あの、薫さんって、死にたいって思ったこと、ありますか? すみません、こんな質問。なんていうか、薫さんみたいな人は、きっとそういうのってないんだろうなっていうか……。



カワイ 悩みとかない、と思ってるんでしょ?



ニケ あ、はい……。



カワイ 死にたいと思ったこと……ね。自分で口にするのも怖いから言ったことはない。でも、死にたいって思うくらい「しんどかった」ことはあります。